翔鴎号|キャプテンズブログ

株式会社海洋計画の代表取締役であり、
日本最大級の翔鴎号のキャプテンを務める能崎知文のブログです。
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ヨットの即製教育
 「ヨットを自由に操縦できるようになりたい」と、個別に2人のご婦人からの申し込みがあった。
この夏の内に決着したい意向だったので、現在進行中で受講してもらっている。学科講習の初日にお会いした時の印象では、両者とも、スポーツウーマンではなく、普通の主婦に見えた。1人は50歳のAさん、もう一人は60歳前半のSさんであった。いずれもヨット経験は無いに等しいものであったが、ヨット上達を急ぐそれぞれの理由を聞き出すことができた。びっくりしたのはSさんの話である。
Sさんは下田の岬近くに別宅があり、岬にある漁船の船溜まりから 10ftのディンギーを一人で出しているとのこと。この夏の内に、隣の入り江までのセーリングをしたいとおっしゃる。前回の出艇の際に、3回連続でチンして、大変な思いをしたことによって、自己流ではなくて、きちんとヨットを習おうと決断されたうえでの参加だった。
 下田は港を出ると、すぐに外洋と言っていい。ましてや、岬の周辺は風や波が複雑に変化するので、そのような海域をディンギーで乗り回すことの危険を説き、クルーザーに転向することを強く勧めた。 かくして、今週末に翔鴎での乗船実習となった。

 実践ヨット塾の受講者にはシニアの方の占める割合が多いのだが、彼らに共通するのは、明確な目的があることである。例えば、堀江謙一のように太平洋を横断したい、ヨットを使って、タヒチへ旧婚旅行をしたいとかの希望をお持ちである。純粋にヨット技術のみを求めてくる方は極く少数派である。女性の受講者に多いのはアーサーランサムのツバメ号・アマゾン号を読んで、ヨットに興味を持った方たちである。イギリスの少年少女が湖水地方で小さなヨットに乗って、冒険を体験するといったメルヘンのような世界が描かれている。Sさんのディンギーへのこだわりはひょっとしたら、アーサーランサムによるものかもしれない。

 さて、本題であるヨットの即製教育に戻ろう。ヨットを単に走らせるセーリング技術を身に付けるには1〜2日間で十分と言える。しかし、荒天時のセーリング技術、アンカリング、ナビゲーション、気象予測、交通法規、修理の知識、エンジン等々となると、マスターするためには数年間の歳月が必要である。
高校生が大学受験があるから勉強に励むように、明確な目的があったほうがヨットのj上達が速い。
 身近な例では今年5月に、6年間に及ぶ世界一周航海から帰還されたSHさんは実践ヨット塾で初めてセーリングクルーザーに乗ったのち、瞬く間に技術をマスターして、出航されたものだ。
 私のヨット人生において、最速で成長したのはEさんである。私が横浜でハーバーマスターをやっていた時に、あるオーナーから小笠原シングルハンド航海ができるようにと、Eさんを託されたことがあった。聞けば、Eさんのヨット経験は伊豆大島までの航海に数度、クルーとして参加した程度とのこと。約3日間にわたって、2人でヨットに乗り込んで、ウインドベーンの使い方、天文航法、荒天時の運用法を教えた。その後間もなく出航となり、Eさんは無事に小笠原往復航海を完成して戻った時、感謝の言葉をもらったが、成功の大部分は本人の頑張りによるものだと思う。知らないコトやわからないコトは誰かに教わらなければならないが、残りは自ら経験して、工夫して対処してゆかなければならない。Eさんには命がけの航海が間近に控えていたから、学習意欲が旺盛だったのだろう。
| ヨット塾 | 11:15 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |↑PAGE TOP
サッカー観戦の副産物
  昨夜はオリンピック男子サッカーをテレビ観戦した。最近はテレビをほとんど見なくなったが、スポーツの実況中継だけはネットに代わっててもらうわけにはゆかない。
U-23の日本代表チームはこれまでの予選では負け続けていたので、これほど健闘するとは誰も思っていなかっただろう。日本の戦略の勝利と言える。個人技の優れたスペインチームは絶妙のパスをつないで日本ゴールに迫るが、それをことごとくカットして逆襲に転じた。日本のFW、MF、DFの全てが役割をきっちりこなした。ショートパスをつないで相手ゴールに迫る戦い方は通用しなかった。ちょうどじゃんけんで5回連続で勝つようなものだ。逆に大きな縦パスを蹴り込んだとき、5回に1回の割合であっても、通ったときはビッグチャンスになる。永井が俊足を生かして長躯敵陣深く切り込む姿は痛快だった。信長の桶狭間の戦いを見るような思いだった。まさに、今川義元25,000と信長軍2,000の戦いだ。

 このように言うと、サッカー観戦の通のように聞こえるかもしれないが、サッカー観戦に関して私は全くのシロートと言ってもよい。点が入りにくいことや盛り上がりにかけるパス回しのシーンになると、退屈を感じて、読書の続きをしたり、飲み物を作りに行ったりするのである。ましてや味方チームがピンチになれば、テレビの前から遠ざかってしまうことが多い。味方のチャンスが来れば、アナウンサーが絶叫したり、テンポが良くなるので、たちまちテレビ画面へ戻って来ることができる。

 当夜、サッカーを見ながら、不謹慎な話だが私は天ぷらを揚げていた。サッカー観戦をしながら天ぷらを揚げる行為はやってはいけないものの一つではなかろうか。試合の見せ場で集中してしまうと、揚げ油が熱くなって、火災の危険が発生する。試合の後半では、日本チームが逃げ切ってくれることだけを祈りながら、天ぷら作りに励んだ。火を弱くして、いつでもテレビ画面に戻れるようにしていた。試合が終わった時、山のような天ぷらとポテトサラダ、カボチャの煮物、シューマイが出来上がった。サッカーの満足とともに、きわめて充実の夜食をとることができた。

 食べきれなかった分は翌日のお弁当になった。しかも、二の膳付きのお弁当である。
二の膳付き弁当_0260.JPG

 残念ながら、天ぷらは味が落ちていた。まずくはなかったが、一晩おいたものは食感が良くない。
勢いを駆って、次回はヨットで揚げたての天ぷらを食べてみたくなった。とれたての魚やエビ、そして野菜があれば、豪華な食卓を飾ることができるはずである。しかし、これもヨットでの禁じ手の一つである。揺れる船内で高温の揚げ油を使うことは火傷や火災の危険があるうえに、揚げ油の処分が難しそうだ。
 私には解決策がある。これまででも、まさかヨットで・・・と言われる料理の数々を作ってきた実績があるのだ。
 深い鍋に少量の揚げ油を使う方法を採ること、鍋がひっくり返っても火傷しないように、ブーツと厚手のゴム引きカッパのズボンを身に付けて調理することを考えている。

 サッカーチームの活躍に触発されて、私もチャレンジする気持ちになっている。
| ヨットで料理 | 16:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |↑PAGE TOP
ゴキブリ対策
 今朝、我が家の台所で一匹のゴキブリを見つけた。今夏の初ゴキブリである。体長が3cmほどのデカいヤツだった。殺虫剤で一発昇天!一匹がいるということはバックに30匹いると、モノの本に書いてあるのを見たことがある。普段からゴキブリの餌になるものは表に出さないようにしているので、一年を通して、我が家でゴキブリを見ることはめったにない。ゴキブリは人間を刺したり、血を吸ったりしないので、実害は全くないのだが、見ると不快になるので、見かけたら即、殺処分にしている。
 それにしても、ゴキブリの生存能力は凄い。地を走り、ガラス窓をよじ登り、水に潜るし、空を飛ぶ。たかが昆虫にこれほど多様な能力を与えてよいのだろうかと思えるほどハイスペックである。多分、一日当たりの捕食量はパン屑一つ程度で済むだろし、しかも雑食性だから飢えることもないだろう。最も優れているのは臆病なほどの警戒心である。将来、人類が絶滅することがあっても、ゴキブリは生き残るだろう。 
 先日、友人のブログ画像で、ヨットに仕掛けたゴキブリホイホイに大小数十匹のゴキブリがかかっているのを見た。ゴキブリホイホイの効果に驚いたが、取り残したゴキブリがまだまだいるかと思うと寒くなる。友人は2か月近い航海の直後だったので、艇内清掃の一環だったのだろう。長い航海では野菜等を裸でさらすことや、炊事の際の食料屑が隙間にたまったりするので、ゴキブリを根絶することは難しい。
 ゴキブリ退治に最も良い方法は兵糧攻めである。すなわち、ゴキブリの餌になるものは一切置かない、もしくは隔離するのである。
 昔、私が世界一周の航海から帰還した時、艇内には外国の港で侵入したゴキブリの数世代下の子孫のゴキブリが相当数棲みついていた。食料品を全て陸揚げして、艇内清掃した結果、その後の一か月間の内に一匹もいなくなった。
 翔鴎号ではこの数年間、ゴキブリを見たことがない。日常的に行っていることが奏功していると思う。簡単に紹介すると、以下のようになる。
1. 航海中の食事はなるべくデッキを使う。
2. 食事を終えたら、直ぐに片付ける。
3. 食事片付けの際は、レンジ回り、流し、床板を清掃する。
4. 生ものはオモテに出さない。
5. 食料は密閉容器に入れて保存する。
6. 艇内で飲食した際は、終了後に床の拭き掃除をする。

 かって、ブエノスアイレスに寄港した際、ある家族に招かれ、ヨットの中で食事をしたときの話。メニューの中に地元料理のエンパナーダがあった。
image.jpg

ミートパイのようなものであり、外側がパイ生地でできているので、普通に食べると、パン屑がぼろぼろと床に落ちてしまう。その時、奥さんが厳しい声で私たちに注意を促した。「なぜ、顔をテーブルの上にもってゆかないか?」。
 フネで食事をするには作法があるようだ。海上自衛官だった私の友人がアナポリスの海軍士官学校に留学した時の話をしてくれたなかで興味深いものがある。アナポリスでは食事の際は「スクゥエアイーティング」を心がけるとのこと。スクゥエアイーティングとは、フォークを垂直と水平に動かすこと。皿からとった食べ物をまっすぐ上に持ち上げ、続いて水平に移動して口に持ってくることである。
皿から直接口へ運ぶとグレービや食べ物が零れ落ちることがある。白い軍服を汚すだけでなく床も汚すことになるだろう。
 必ずしもゴキブリ対策になるとは限らないが、フネの上では、たかが食事であっても、緊張感が必要ということだろうか。
| 役立つヨット技術・知識 | 10:22 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |↑PAGE TOP